人間禅道場

〒272-0827
千葉県市川市国府台6-1-16
TEL 047-373-7572
●北総線矢切駅徒歩5分
メインメニュー
ブログ
検索
このページをシェア!
ここでブックマーク: Twitter ここでブックマーク: Facebook ここでブックマーク: Yahoo ここでブックマーク: Google
トップ  >  道場の椿 佐藤妙珠

 秋の11月から翌年の4月下旬頃まで常緑樹の椿は咲き誇ります。丁度お茶での炉点前の季節と一致致します。椿は花の種類では一番長く咲くものです。その椿には約2200種あり椿のみでの事典が多く存在しております。

 本部道場の椿も沢山ありますので、少し紹介致します。椿の花を見ながら散歩しているような気分になれます様に書きたいと思います。読んでそんな気分になれなかったらごめんなさい。

 寒い季節ですので、少し厚着をして散歩に出かけましょう。

 剣道場の駐車場を過ぎて南寮の丘のようなお庭に足を止めて下さい.此の所には、肥後椿があります。熊本道場の創立記念に頂いた椿です。幹の太さは15cmでまだ1m50cm位の高さですが、毎年大きな花芯と花びらで存在感ある咲き方をしています。この椿は花に負けず劣らず葉も大きいので分かりやすいです。  

 此の所を過ぎて剣道場の裏の井戸のポンプ近くの石畳を行くと、桃色角倉と白角倉があります。此の花は八重咲きです。京都の豪商角倉家に因む名前です。略称の白角から白澄ともいいます。

 一旦剣道場の駐車場に戻りましょう。
 南寮と道路沿いの道を行きますと道場の正門を右手に見ます。そして南寮の玄関前に立ち止まって下さい。上を見ますと白玉椿があります。残念ながら大人の背の高さまでは椿の幹だけなので、此の所に素敵な白玉椿があるなんて知らない人が多いです。2月から3月頃、白い花が下に落ちてから注目されています。この椿の高さは2mあまりです。

 隠寮に行く苔山を左に大谷石段を行きますと木戸を過ぎると右に蹲が桜の木に喰い込まれています。桜は八重桜で皆さんに蹲と一緒なのでよく知られていますが、そのうしろに周囲25cmのあけぼの椿は知られていません。桜が大きすぎるのかも知れませんが。あけぼの椿は本部道場には現在3本あります。老大師が中国道場の出来る前に岡山の国清寺で摂心会を行っていました。その老大師のお部屋からこのあけぼの椿がよく見えていました。大きな薄桃色の花で老大師の奥様の珠月様がとてもお好きだったようです。

 この蹲を下って石段を進み、石橋を過ぎると二手に分かれる石段の道があります。ここで一休みをして周りを見てください。
 左に行きますと周囲36cmで高さ2m越えの薄桃色の侘助椿があります。その隣には幹もやや細いですが白侘助椿があります。この侘助椿は花が最も小輪で筒型に咲きます。花も小さいですが葉も小さいですので分かりやすいです。白侘助と薄桃色侘助は夫々2本ずつ2m越えの高さのが道場にはあります。

 さらに石段をゆっくり登って下さい。向日庵です。その左手に天をつくような高い杉の木があります。まさにその裏手に有楽椿があります。幹の太さは41cmで高さは3m位あります。有楽椿は別名「太郎冠者」とも言います。紫帯びた桃色の筒型でラッパ状に咲きます。全ての侘助椿の親と考えられています。有楽流茶道の流祖の織田有楽斎の好みでもあったようです。その為に名前が有楽椿と言われるようになりました。老大師の家は有楽流の家元でもありますので老大師の向日庵書斎から見える場所に植えられたのだと思います。

 向日庵の前の道を左に行きますと向日庵の玄関になります。また、そこから上を見て下さい。約8mほどある白玉椿が見えます。化研病院の境にあり幹の太さは68cmです。道場で一番大きな椿です。道場の裏側にもなるのでこの椿も花が落ちてはじめて此処に椿があることを知らせています。満開の時は緑の葉に白い花が沢山ありますので見事ですが、しばらく見ていると高いので首が疲れます。

 道なりに進むと広場があります。此処も過ぎて行きますと北寮の建物が見えて来ます。その東側には加茂本阿弥椿、別名「窓の月」と言います。高さは3m位で太さは30cmです。白色の一重の椀咲きの花です。清楚な姿が茶人に愛される花としても知られています。

 道なりに下って来ますと侘助系の黒椿が見えます。高さは1mちょっとで太さは10cmに満たないです。京葉支部の陶芸家の山下祖牛さんが知人から頂いたものを道場に植えたものです。黒椿はこれ以上は大きくならないようで、幹と葉も暗紫色です。蕾がつきすぎる程つきますので摘蕾の要がありますので、時々蕾をとっています。花はビロードのような黒紅色で八重咲きです。

 黒椿から3m程道なりに下ると千代田錦の椿があります。此の所に来ると目の前には掲揚台とソメイヨシノの太い桜の木が見えます。千代田錦の椿の花は白地に紅色の縦の絞りがある一重の筒咲きです。高さは2m50cmで、幹の太さは20cmです。絞り模様の椿は道場には少ないのでこの千代田錦の椿が目立ちます。

 石段のゆるい坂を下ると摂心会での作務で集合する広場に着きます。そこから両忘塔に行く急な坂の石段を登り始めると、すぐに右側に1本の椿が建物に添うように植えてあります。この椿は唐子獅子頭叉の名を紅獅子頭とも言います。高さは2mほどです。幹の太さは17cmです。葉が大変多くついていますが、花が咲くと目立ちます。花の形は獅子の顔の形に見えるからです。

 その石段を戻り、そして本堂の前に立ちましょう。本堂の入口を後ろにして右側を見て下さい。道場の宝庫の白い壁の前に1本の羽衣という椿があります。2m程の高さで枝が多く分かれています。白で透き通るような色の八重で蓮華咲き15枚ほどの花弁が4・5重に重なり合っています。まるで天女が衣を広げている様に見えます。江戸時代から知られている人気の高い名花の一つです。
 さらに赤い色の藪椿も沢山ありますので見てください。

 道場の代表的な椿の案内でしたが如何でしたでしょうか。寒い時期に咲く椿ですのであまり人に見られないのでこんな形式で紹介しました。どうぞ寒い時期の本部道場の椿を一度ご覧下さいませ。とても素敵な気分になれますよ。近くに住んでいますので、一報下さればご案内致します。

 

『あけぼの』第21号(平成26年5月)より転載

プリンタ用画面
前
禅との出会いは素敵な人との出会い 張替剣外
カテゴリートップ
講話・随筆
次
もうすぐ桜の花々が・・・眩しさに襟を正す 瀧口清韻